外国人看護師が乗り越えた新人のときの多重課題と問題解決法
~ストレスマネジメントと時間管理のコツ~
こんにちは、外国人ナースのピョーです。
今回は、日本の医療現場で新人看護師として働き始めた頃、私が実際に経験した「多重課題(マルチタスク)」の大変さと、それをどう乗り越えてきたかについて書きたいと思います。
外国人として日本の病院で働く中で、日本語の壁、日本文化、人間関係など、不安やプレッシャーがたくさんありました。でも、毎日の工夫や努力を続けることで、少しずつ慣れていくことができました。
① 新人看護師の「多重課題」ってどんなもの?
私が新人の頃、もっとも大変だったのは「一度にたくさんの業務をこなす」ことでした。
- 受け持ち患者のバイタル測定
- 清潔ケアや食事介助
- 医師の指示受け
- 薬の準備と投与
- 看護記録の記入
- 緊急対応やナースコール対応
- 緊急入院患者の受け入れ
- ご家族への対応 など
これらを時間内に、ミスなく、優先順位を考えて行うのは本当に大変でした。
最初は優先順位の付け方もよく分からず、戸惑いや失敗も多くありました。でも、先輩看護師からの指導やアドバイスを受けながら学んでいくことで、少しずつ自信がついてきました。
私が気づいたのは、「他人のペースではなく、自分のペースで行動すること」が大切だということです。そして、無理なことや難しいことは「無理」と伝え、助けを求める勇気も大事です。
最初の私は、「全部自分でやらなきゃ」と思い込んでしまい、自分自身にプレッシャーをかけていました。「できないと思われたらどうしよう」という不安もありました。でも今では、「できないことがあるのは当たり前。助け合ってこそチームだ」と思えるようになりました。
② 日本語でのコミュニケーションも壁に
私にとって、言葉の壁も大きな課題でした。
- 医療用語や敬語
- 患者さんとの会話
- 医師の指示の聞き取り
- 多職種カンファレンスでの発表 など
特にカンファレンスでは、うまく伝えられるか不安でした。そのため、先輩に報告内容を確認してもらい、事前に練習するようにしていました。家族対応や書類説明も、日本語の練習を繰り返すことで、少しずつ自信を持てるようになりました。
そして、「聞き返してもいい」「分からないままにしない」ことがとても大切だと気づきました。
③ 問題解決のために私がやったこと
■ 優先順位を決める「ToDoリスト」
毎日の業務前に情報収集を行い、「やるべきこと・時間・優先度」をノートに書き出しました。
また、急な変更や新しい指示が入ったときには、「何を後回しにできるか」を冷静に考える練習もしました。
■ 分からないことはすぐに聞く
分からないことは怖がらず、すぐに確認するようにしました。
メモを取り、その場で復唱・確認することでミスを減らせました。
優先順位を頭の中で整理し、できないことは先輩に相談したり、他のスタッフに依頼したりしました。
「患者さんのことは自分で、物品補充など他人が代わりにできることはお願いする」
この考え方を学び、実践するようにしました。
■ タイムマネジメントの工夫
常に「次に何をするか」を意識し、空いた時間には記録を書いたり、予定外の業務に手を回したりと、“先回りの行動”を意識して動いていました。
④ ストレスマネジメントの方法
心も体も疲れる中で、ストレスを溜めすぎないように私が実践していたこと:
- 深呼吸や短い休憩で気持ちをリセット(3分だけでも休む、水を飲む)
- 1日の終わりに「今日も頑張ったね」と自分を褒める
- 同期や先輩と気持ちを共有して、一人で抱え込まない
- 休日はしっかりリフレッシュ(寝る・食べる・好きなことをする)
「頑張りすぎないこと」「自分を責めすぎないこと」も、とても大切です。
⑤ 成長できたこと
最初は不安と混乱の毎日でしたが、今では:
- 優先順位を考える力
- チームで協力する姿勢
- 自分の感情のコントロール力
- 焦らず落ち着いて行動する力
が身についたと思います。
特に、「できなかったこと」より「できるようになったこと」に目を向けて、自分に自信を持てるようになりました。
最後に
新人のときの多重課題は、誰にとっても大きな壁です。
それが外国人であれば、なおさら苦労も多いでしょう。
でも、一つずつ問題を見つけて、少しずつ対処していけば、必ず乗り越えられます。
今、悩んでいる方に伝えたいのは:
「あなたは一人じゃないよ。無理せず、自分のペースで、一歩ずつ進んでいこうね。」
コメント